- ジャンル
- 論文・学術書・参考書
- ISBN
- 978-4-434-28953-8
- ページ数
- 176ページ
- 判型
- 並製本 A5判
- 発売日
- 2021年5月31日
- 価格
- 定価1,540円(本体価格1,400円)
- 分類コード
- 3036
水循環・水環境と生態系を支える水土里資源
流域水環境学
水土里(みどり)とは,水田地帯を流れる水,水田の土地,里に住む人々を指す。彼らによる食料増産・生活環境改善の事業だけでなく,水管理と稲作の日常活動が,流域の健全な水循環・水環境に寄与し,多様な恵みを創出している。本書では,扇状地水田域での稲作に伴う窒素・リンの自然な流出が,河川での梅花藻・トミヨ及び河口海域でのシロエビなどの水生生態系を支えていることを実証した。また,水土里資源・自然資源が持つ機能に働きかける低炭素化等の活動など,生産者と消費者の協働・共創による社会的・経済的な共通価値を創造する地方創生案を示した。さらに,温暖化に伴う洪水災害の軽減を図るには,歴史的に池沼であった広大な低平農地域に,水土里の知である「水田−水路系の反復水利用の機構」を活用して,洪水を貯留させるなどの減災を図るとともに,この活動を受益地域の自治体,企業等が支援する案を示した。