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書籍紹介

薩摩義士という軛

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薩摩義士という軛

宝暦治水顕彰運動の虚実

水谷 英志 著

ジャンル
論文・学術書・参考書
ISBN
978-4-86476-201-4
ページ数
202ページ
判型
並製本 文庫判
発売日
2014年12月10日
価格
定価1,019円(本体価格926円)
分類コード
3121

内容紹介

 江戸幕府が1754(宝暦4)年から1755(宝暦5)年にかけて、岐阜、三重、愛知の3県の木曽三川下流域で行った治水工事は「宝暦治水」と称される。2015年は、その工事が完工して260周年を迎える記念する年でもある。御手伝普請として支えた薩摩藩は1000人近い藩関係者を同地へ派遣した。工事による死者は薩摩藩と幕府関係者を合わせて87人に上ったといわれている。それらを顕彰する運動は、1884(明治17)年に現在の三重県桑名市多度町に在住した豪農西田喜兵衛(にしだ・きへえ)によって行われた。それが1912(大正元)年12月8日に、自由民権運動で名をはせ、教育者でもあった麻布学館館長の岩田徳義(いわた・とくよし)が東京都の帝国教育会館で行った「薩摩義士表彰会」を経て、全国で知られるようになる。しかしこの運動には、開始直後から重大な瑕疵があった。それはいまも引き継がれ、中学校の国語および歴史教科書をめぐる論争へと発展している。
 著書では、顕彰活動の前段階としてまとめた明治期の木曽川改修工事反対運動を最後に紹介。冒頭から、それ以降続く歴史叙述をめぐる問題を、以降の顕彰運動の展開と合わせて紹介している。「薩摩義士」が生み出された背景と運動が持った「軛(くびき)」としての性格を明らかにすることで、260年を迎えた今「宝暦治水」の持つ意味を再考した内容となっている。史料の情報化と東日本大震災以降に高まった災害史上の難問に、地元在住の郷土史家が歴史社会学的手法を用いながら取り組んだ成果を論文集としてまとめる形で挑んだ。また、木曽三川歴史文化資料編集検討会編の「KISSO」で収録されているエッセイも収録している。一連の「宝暦治水論争」は流域史に何を残すのか。同著はその出発点に過ぎない。

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もくじ

水谷英志(みずたに・ひでし)
郷土史家(歴史社会学)。
1980年6月24日生まれ。岐阜県羽島市出身。
地元紙の記者をする傍らで東海三県の郷土史を研究。主論文は「明治期における木曽川改修工事反対運動と『成工式』」(『歴史地理学』53巻1号所収)、「荻洲立兵陸軍中将とノモンハン戦没者への慰霊」(『軍事史学』47巻3号所収、研究余滴)、「宝暦治水『逆川締切工事』をめぐる流域住民の歴史意識」(岐阜県郷土資料研究協議会編『郷土研究岐阜創立40周年記念論集』所収)。
所属学会は歴史地理学会、日本史研究会、日本社会学会など。

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