- ジャンル
- エッセイ・ノンフィクション
- ISBN
- 978-4-86476-769-9
- ページ数
- 88ページ
- 判型
- 並製本 新書判
- 発売日
- 2019年12月20日
- 価格
- 定価1,980円(本体価格1,800円)
- 分類コード
- 0295
日本の名作(1)
漱石『こころ』をどう読むか
漱石の『こころ』の中でわたしが最も好きな節は、「先生と遺書」の二節目、新聞連載当時の通し節番で言うと第五十六節である。これは大正三年六月十九日発表分である。気候のよい初夏の頃に書かれたに違いない。全集書簡によると夏風邪が治った頃だ。当時、胃弱も相当に深刻化していたではあろうものの、『こころ』が全百十節になることからすると当節はちょうど中間付近に位置する。連載が佳境に入って著者が一段と気合を入れ直したかのような書きぶりになっている節である。
序より
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