- ジャンル
- 論文・学術書・参考書
- ISBN
- 978-4-434-16225-1
- ページ数
- 238ページ
- 判型
- 並製本 A5判
- 発売日
- 2012年2月8日
- 価格
- 定価2,640円(本体価格2,400円)
- 分類コード
- 0015
『マハーヴァンサ』による「スリランカ仏教王国記」とその一考察
スリランカは紀元前6世紀の建国以降、絶えることなく連綿と続き今日に至る由緒ある国である。そして、その歴史は、歴史書なきインド世界において、『ディーパヴァンサ』や『マハーヴァンサ』などとして綴られている。
スリランカの、また、シンハラ人の誇りでもあるスリランカの歴史書『マハーヴァンサ』は、世界記憶遺産に登録されるべきほどの内容を含むとともに、今なお熱心な仏教立国として存在しているスリランカを理解するための必読の書でもある。
そんなスリランカの歴史書『マハーヴァンサ』に、適宜言葉を補い、補注等を付し、読みやすく、わかりやすく、かつ内容をゆがめることなく物語風に翻案したのが本書第1部の「スリランカ仏教王国記」である。また、第2部では、シンハラ人のスリランカへの移住と建国についての考察を試みた。
第一部『マハーヴァンサ』によるスリランカ仏教立国記
第1章「釈尊来降」〜第37章「マハーセーナ王」
付記
古代インドの長さの単位について
スリランカに持ち込まれた釈尊の舎利について
マヒヤンガナ塔の舎利について
仏塔の各部に関する呼称について
『マハーヴァンサ』による各月の名称について
第二部 スリランカ仏教王国記からの一考察
その1 釈尊のランカー島訪問とその意義
1 先住民「夜叉族」と「龍族」
2 先住民ウェッダー
3 夜叉族が移り住んだギリ島
4 検証「ギリ全島はモルディブ諸島」
その2 ヴィジャヤの出自とシンハラ人の系譜
1 ヴィジャヤの出自と父ライオンの故郷
2 ヴィジャヤの航路
3 カンベイ湾の港市とウッジャイン
4 ジャータカのなかのバールカッチャ
その3 マヒラーディーパ(女たちの島)
1 マヒラーディーパはモルディブ諸島
2 文献中の女人国
3 『今昔物語集』のなかの女人国
その4 ヴィジャヤの入植とシンハラ小王国立国の物語
1 ランカーの羅刹(夜叉)の都
2 マドゥラーの都
その5 血統の維持と釈迦族の血の注入、そして国土開発
1 シンハラ人の血の維持と釈迦族の血の注入
2 パンドゥカーバヤの首都建設、及び夜叉族との融和
その6 スリランカの先住民再考とシンハラ仏教の故地
1 夜叉族と龍族の出自再考
2 スリランカ仏教はインド西部から伝わった
3 最初のインド化国家スリランカ
竹内 雅夫
1946年 東京生まれ
明治大学卒業後 電気通信大学中退
神奈川県、埼玉県の公立学校勤務
著書
『インドネシア スラウェシ島縦断』『スリランカ時空の旅』(東洋出版)ほか