- ジャンル
- エッセイ・ノンフィクション
- ISBN
- 978-4-434-26908-0
- ページ数
- 240ページ
- 判型
- 上製本 四六判
- 発売日
- 2020年3月10日
- 価格
- 定価1,650円(本体価格1,500円)
- 分類コード
- 0093
ある学者の「人間の条件」
隅谷三喜男伝
成田空港問題、介護保険制度導入など、社会問題や世界平和に尽力した隅谷三喜男。
ある小説の主人公と噂されていた、その真相とは。
東大名誉教授、東京女子大学長を務めた経済学者・隅谷三喜男は、死亡記事で五味川純平の『人間の條件』のモデルと紹介された。著者である五味川も、モデルとされた隅谷自身もそれまでずっと否定していたにも関わらず、である。本書は、なぜ隅谷がモデルとされてしまったのか、その原因を探るために隅谷の人生を紐解いた。
隅谷は、麻布で生まれ、中学時代に洗礼をうけてキリスト教徒となった。東大卒業後、旧満州の昭和製鋼所に入社。戦後学会に身を投じ、東京大学教授、東京女子大学学長などを歴任。社会保障問題、平和問題、中国・朝鮮問題、成田空港問題等の社会的問題に幅広く取り組み、成田空港問題の円満解決や、介護保険制度導入に尽力した。
昭和の前半、軍国主義という世の流れに逆らって生きようとした隅谷の「生き様」が、『人間の條件』の主人公と相通じるものがあったのだろうか――