- ジャンル
- 論文・学術書・参考書
- ISBN
- 978-4-434-28061-0
- ページ数
- 254ページ
- 判型
- 並製本 新書判
- 発売日
- 2020年10月30日
- 価格
- 定価990円(本体価格900円)
- 分類コード
- 3237
奇妙な日本語「教育を受ける権利」
誕生・信奉と問題
「教育を受ける権利」は「日本国憲法」に初めて規定されたのではなく、明治期に主張されたのが始まりだった。それは「教育勅語」下の時代、臣民の「教育を受ける義務」に対抗して「教育を受ける」ことは権利だとして『労働世界』で初めて主張された。
ところが、奇妙にも国民平等の「日本国憲法」にも国民の権利として規定されている。国民が「教育を受ける」ということは教育する別格の人の存在を前提としているという矛盾がある。
「教育を受ける権利」が誕生した戦前期の背景、学問の自由の下で歴史的事実がいくつも無視されて信奉されてきた戦後の実情を明らかにし、また、「教育を受ける権利」を信奉することにより派生している問題を紐解く。