- ジャンル
- 小説
- ISBN
- 978-4-86476-026-3
- ページ数
- 194ページ
- 判型
- 並製本 四六判
- 発売日
- 2012年7月2日
- 価格
- 定価1,540円(本体価格1,400円)
- 分類コード
- 0093
馬越文学(新リアリズム文学)の貴重な処女作。メールの交換を通して惹かれあう男女が、思想という一つの考えのために、互いの心が寛容と非難の狭間で揺れあう様は、「罪と罰」のラスコーリニコフとソーニャの関係を思わせる一作。結局主人公の選んだ道は、彼にとって悔恨でしか有り得ないものだったのだろうか?
狂気が男を捉えて離さないのは何故なのだろうか?
馬越哲学の根本命題、「偏りとバランス」という真理を掴んだ男が、世界をひっくり返すほど美しい女性との恋愛の果てに選んだ道は茨の道であった。著者は思想という崇高でありながら現実生活とは並び立たないものを選んだ人間の喜劇的有様を、淡々としたメール交換という現代的な書簡の往復という形をとって、静かに炙りだした。
まさに渾身の一作と云えよう。これは処女作の改訂版である。
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