- ジャンル
- エッセイ・ノンフィクション
- ISBN
- 978-4-86476-861-0
- ページ数
- 336ページ
- 判型
- 並製本 B6判
- 発売日
- 2020年12月15日
- 価格
- 定価1,540円(本体価格1,400円)
- 分類コード
- 0095
結んで開いて飛んだ空
人間力をフルに活かせた私の人生に感謝
戦争が終わり、日本が漸く世界に底力を示せた「東京オリンピック」
日本全土、各界各層が一丸となって頑張った時代……
その序曲の如き昭和35年、上牧の地で観光土産店を始めたばかりの夫に嫁いだ。
谷川岳を臨む美しい山脈と利根の清流、素朴な人情・風土に親しんだ。
テレビの普及は、スポーツや芸能を楽しむ時代の入口。
また、折しも「観光」の二文字が俄かに脚光を浴び、駅前広場には連日大型バスが土煙を上げて往来する。のぼり旗効果を最大限に使ったアイスクリーム販売。売行は県内観光地で上位になり、問屋も驚くほどに。
しかし、まもなく国策により道路網の舗装が進み、上牧は観光バスの通過を余儀なくされる。自然の成り行きとは言え、晴天の霹靂で成す術もない。
危ぶまれる生活に熟慮の末、渋川へ転居。手芸材料を教えつつ売る店を開店。近隣の人情に支えられて営業、子育ても両立。得意の手技を活かして広範囲から講習会も依頼されるようになると、日々の特訓で技術をマスターした夫と共に手芸の大ブームをこなした。
車社会が到来し、女性の働き方や生活も変化し、需要と供給の原理に倣って婦人洋品店に切り替える。仕入れ先は地元の問屋にはじまり、東京日本橋の問屋街に変わって20数年通った。
2000年の年末、60才半ばで悔いも残さず閉店。
振り返る間もなく忙しく過ぎ去った日々は、本当に愛おしい時代でした。
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