- ジャンル
- 趣味・カルチャー
- ISBN
- 978-4-86741-047-9
- ページ数
- 88ページ
- 判型
- 並製本 A5判
- 発売日
- 2022年4月15日
- 価格
- 定価700円(本体価格636円)
- 分類コード
- 3057
天然砥石と硯石と
東日本で拾えそうな産地とその地質
2021年に上梓した「東日本の天然砥石産地総覧」は、広範な文献を渉猟した辞書としての成果品で、砥石と硯石についてはともに低温の熱水作用(約200℃以下)で形成されたもので、同類であると指摘したにとどまった。
本書は前回に拾い残した砥石・硯石の産地を追加した約330地点から、原石を拾えるかもしれないと予想した約100地点を紹介したフィールドガイドブックであるが、砥石と硯石については、重要なコメントを付けた。
要点は、砥石は地表付近で形成された白色砥石から、地下深所で形成されたプロピライト砥石まであるが、硯石はすべて地下で変質作用を受けたと考えられ、カーリン型金鉱床との類似を示唆した点。次に著者自身が数キロメートルに及ぶ低品位の含銀粘板岩層を発見した逸話を披露している点である。
従来、地質学関係者の興味の外にあった砥石・硯石の一部が、鉱化作用後の低温熱水作用の産物であると想定されたことで、多くの新しい視点が提起されたといえよう。
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