- ジャンル
- 論文・学術書・参考書
- ISBN
- 978-4-86741-327-2
- ページ数
- 120ページ
- 判型
- 並製本 B5判
- 発売日
- 2025年5月27日
- 価格
- 定価1,500円(本体価格1,364円)
- 分類コード
- 3057
西日本の天然砥石産地総覧
―近畿地方から沖縄県までの天然砥石―
地質学の文明に対するコントリビューションは、資源、安全、そして未来の大絶滅などを含む“環境”の三分野と思います。著者は資源地質家としては層状鉱床の成因論争で論文が海外で引用され、安全の分野では現地の伝統技術でヒマラヤの斜面崩壊の被害防止に成功するなど、幅広い経験があります。
砥石産地リストは4冊目の本書で約750ヶ所となり完結です。砥石を原岩ができた時から砥石の特性がある初生的砥石と、変質作用を受けて砥石になった後生的砥石に大別し、火成活動が無い地域には後生的砥石が存在しないことから、砥石の成因は貫入火成岩に関わる熱水作用と解しました。
砥石には高温のサッカロイダル石英砥石から、地表温度で形成された粘土の中の砥石があるなど、いくつかの類型があり、カーリン型金鉱床に似ていると思うのもあります。
表紙写真の純白の石がサッカロイダル石英の砥石で、海外の研究ではこの不定形石英の晶出温度は鉱液が沸騰するような温度とされ、国内ではこの石英が微細な平行割れ目で砕け易いせいか研ぎあがりが美しく刀剣用に重用されたらしい。
本書で奨めている、原石から砥石を作ることは、産地を訪れるだけでも大仕事ですが、地元の人に昔の堀場を聞いて、原石を拾って、自分の刃物を研げれば大成功です。
まず、土着資源の在り処探しから始めてみませんか。
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