- ジャンル
- 小説
- ISBN
- 978-4-86741-421-7
- ページ数
- 188ページ
- 判型
- 並製本 B6判
- 発売日
- 2025年11月21日
- 価格
- 定価880円(本体価格800円)
- 分類コード
- 0093
伊豆大島燃え立つ、幻の五十三日
東京の南方海上に浮かぶ火山島、伊豆大島。
太平洋戦争終結から数か月後、連合軍最高司令部(GHQ)は島を日本の施政権から切り離すも、軍政を敷かなかった。そのため、人口一万一千人の島は祖国を突然失ったうえ、統治者不在の政治的空白状態に陥る。
危機の中から一人の熱血村長が立ち上がり、志を同じくする仲間と共に、島人による平和で民主的な理想郷づくりを掲げた。村長には戦争末期に軍部の圧力で自ら発行していた新聞が図らずも島民に戦争を煽ってしまった慚愧の念が拭えず、民主的な平和国家への希求心が極めて強い。
日本に帰属せず、異民族の支配も受けないという島の自立を目指す村長の大胆な計画を巡り、島社会は日本への復帰を熱望する住民と、国威を失くした祖国を嫌い、島の運命は自分たちで決めたいとする住民とが対立。
村長たちは島内の分断と根強い反対に悩みながらも、独自の憲法案を練るなど新しい国の樹立に向け邁進する。しかし、島の新時代が幕を開けるまさに寸前に、GHQは突如として施政権分離の方針を撤回してしまう。
戦後の混乱期に、離島の独立を夢見て一途に奮闘した男たち。彼らの五十三日間にわたる熱い想いと昂揚、不安や苦悩、そして抗い難い力に翻弄された無念を描く。
伊豆大島に残る史実にヒントを得たフィクション作品。
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