- ジャンル
- 論文・学術書・参考書
- ISBN
- 978-4-902218-09-1
- ページ数
- 552ページ
- 判型
- 並製本 A5判
- 発売日
- 2010年9月15日
- 価格
- 定価3,113円(本体価格2,830円)
FD語学教育改革シリーズ1 英語前置詞の概念
― 認知言語学・教育学・社会学・心理学・言語文化学の学際的観点から ―
森山智浩,高橋紀穂,福森雅史,田保顕,藤原真名夫,カール・ノーメンセン,入学直哉,森山オアナ 著
「言語」の基底には「文化」が広がっています。言葉と社会生活の相互作用も見据えた英語教育を進めるには,新しいアプローチが必要なことでしょう。
「英語前置詞」を題材に,言語学・教育学・社会学・心理学・言語文化学を専門とする教育・研究者8人が集結しました。長年の研究成果と実際の教育現場の経験を基に,学際的観点から「言語文化」と「外国語学習」の融合を果たし,総数47種に渡る英語前置詞(句)の多義性を最新理論「メタ・プロセス」で解明した教育研究書です。
前置詞の中核コンセプトが継承されるメカニズムを活用した計41種の英語接頭辞一覧表付き。
※この書籍はAmazon.co.jpのみで販売します。
※現在、重版未定・在庫切れです。
はじめに
目次
本書の使い方
◆ それぞれの設定コンセプト
第一部:総 論
「語学パート」の趣旨
◆ 語学パートについて
■ 新しいアプローチ ― メタ・プロセスと単一語 ―
■ 新しいアプローチ ― メタ・プロセスとイディオム/連語表現 ―
「社会文化パート」の趣旨
◆ 社会文化パートについて
■ 社会文化パートの一例
<言語文化の観点から>
<社会文化の観点から>
第二部:各 論
Unit 1 forのメタ・プロセス
語学パート:forのメタ・プロセス(対象語 for, during)
(1) forの原義:「前方」
(2) 現代英語におけるforの中核コンセプト:「交換」
(3) forの派生義:「目的物獲得」
社会文化パート:「贈与」慣習に見る「前方」と「交換」の結びつき
Unit 2 toのメタ・プロセス
語学パート:toのメタ・プロセス(対象語 to, from, toward(s))
(1) toの中核コンセプト:「到達点」
(2) toward(s)のアクセント位置と英語の歴史
社会文化パート:本当の「到達点」?
Unit 3 atのメタ・プロセス
語学パート:atのメタ・プロセス(対象語 at, on, upon, in, a, the)
(1) atの中核コンセプト:「一点」
(2) atの派生義:「地図上の一点 → 内部か外部かが不明」
(3) atの派生義:「抽象的」
(4) atとinとのコンセプト比較
(5) onとinとのコンセプト比較
(6) atとonとinのコンセプト比較
社会文化パート:英語の中の数学
Unit 4 byのメタ・プロセス
語学パート:byのメタ・プロセス(対象語 by, beside, near, next (to), close (to))
(1) byの原義:「ある物体の側面に位置」
(2) 現代英語におけるbyの中核コンセプト:「漠然とした近さ」
(3) byの派生義:「部分と全体の関係」
(4) 現代英語におけるbesideの中核コンセプト:「ある物体の側面に位置」
(5) 現代英語におけるbesideの派生義:「比較」
(6) 現代英語におけるnearとnextのコンセプト
社会文化パート:「私」と「私」
Unit 5 withのメタ・プロセス
語学パート:withのメタ・プロセス(対象語 with, again, against)
(1) withの原義:「対抗」
(2) 原義「対抗」から現代英語における中核コンセプト「同伴」へ
(3) 現代英語におけるwithの中核コンセプト:「同伴」
社会文化パート:紛争と秩序の関係
Unit 6 aroundのメタ・プロセス
語学パート:aroundのメタ・プロセス(対象語 around, about, across, opposite)
(1) aroundの中核コンセプト:「円」
(2) aroundの派生義:「円の一部;弧」
(3) 言語文化に見るアメリカ英語とイギリス英語
(4) acrossの中核コンセプト:「交差」
社会文化パート:ホームズとマクレーン
Unit 7 overのメタ・プロセス
語学パート:overのメタ・プロセス(対象語 over, under, above, below, beyond, before,
in front of, ahead of, behind, after, following)
(1) overの中核コンセプト:「半円の移動の軌跡」
(2) overの派生義:「半円の一部;弧」
(3)「静的位置」を表すoverとunder
(4) above, belowの中核コンセプト
(5) beyondの中核コンセプト
(6) before, in front ofの中核コンセプト
(7) behind, after, followingの中核コンセプト
社会文化パート:何を妨げる「障害」か?
Unit 8 ofのメタ・プロセス
語学パート:ofのメタ・プロセス(対象語 of, off, out of, from, by way of, via, to, into)
(1) ofの原義:「分離」
(2) ofの中核コンセプト:「所有」
(3) ofの派生義:「対格(=直接目的語)表示のマーカー」
(4) ofの派生義:「直接性」
(5) ofの派生義:「同格」
社会文化パート:ofと所有権
Unit 9 betweenのメタ・プロセス
語学パート:betweenのメタ・プロセス(対象語 between, in between, among, amid)
(1) betweenの中核コンセプト:「2者間に挟まれた領域/位置」
(2) betweenの派生義:「2者間に挟まれた経路」
(3) amongの中核コンセプト:「(3者間以上の)集団の中で」
社会文化パート:「時」の正体
<言語文化から見た「時」の正体>
<社会文化から見た「時」の正体>
Unit 10 日本語訳に惑わされやすい前置詞
語学パート:日本語訳に惑わされやすい前置詞のメタ・プロセス(対象語 beneath,
underneath, along, till / until, through, as, too, also )
(1) 実際の教育現場における英語学習者からの質問
(2) alongの中核コンセプト:「接触+移動の細長い軌跡」
(3) alongの派生義:「時の長さの軌跡」
(4) tillの原義:「物理的到達点」(≒to)
(5) tillの中核コンセプト:「ある時間的到達点までの継続」
(6) tillの派生義:「継続期間は到達点以前」(≒before)
(7) asの原義:「〜もまた,同様に」(≒also)
(8) asの中核コンセプト:「左辺と右辺とを結ぶ標識」
社会文化パート:「言語の背後に広がる人々の認識」
<言語文化学の基礎>
1. 西洋の挨拶表現の背後に潜む「神」の存在
1.1. 英語とルーマニア語のコンセプト対照を通して
1.2. スペイン語とのコンセプト対照を通して
2. 日本の挨拶表現とその認識
各前置詞コンセプトを継承する接頭辞一覧表
1.forのコンセプトを継承する接頭辞
2.at, to, toward(s)のコンセプトを継承する接頭辞
3.on, inのコンセプトを継承する接頭辞
4.byのコンセプトを継承する接頭辞
5.beside, nearのコンセプトを継承する接頭辞
6.withのコンセプトを継承する接頭辞
7.against, oppositeのコンセプトを継承する接頭辞
8.around / round, aboutのコンセプトを継承する接頭辞
9.acrossのコンセプトを継承する接頭辞
10.over, aboveのコンセプトを継承する接頭辞
11.under, belowのコンセプトを継承する接頭辞
12.beyondのコンセプトを継承する接頭辞
13.before, in front ofのコンセプトを継承する接頭辞
14.behindのコンセプトを継承する接頭辞
15.afterのコンセプトを継承する接頭辞
16.from, ofのコンセプトを継承する接頭辞
17.between, amongのコンセプトを継承する接頭辞
18.throughのコンセプトを継承する接頭辞
19.「欠如」コンセプトを表示する接頭辞
Further Study:各コンセプトの応用問題
<Unit 1の応用問題>
<Unit 2の応用問題>
<Unit 3の応用問題>
<Unit 4の応用問題>
<Unit 5の応用問題>
<Unit 6の応用問題>
<Unit 7の応用問題>
<Unit 8の応用問題>
<Unit 9の応用問題>
<Unit 10の応用問題>
現在の外国語教育に思う(福森 雅史)
参考文献
索引
書評(片桐 直人)
著者略歴
書評者略歴