北海道の旧産炭地・エルム市のズリ山の中から金が出た。さびれていた街は人でごったがえし、行政も市民も喜びに浸る。しかし、この金騒ぎには仕掛人がいて…。表題作のほか、全7篇を収録した短編集。
- 発売日
- 2008年3月12日
- 価格
- 定価660円(本体価格600円)
- ページ数
- 290ページ
- 判型
- B6判
北海道の旧産炭地・エルム市のズリ山の中から金が出た。さびれていた街は人でごったがえし、行政も市民も喜びに浸る。しかし、この金騒ぎには仕掛人がいて…。表題作のほか、全7篇を収録した短編集。
外国で見聞を広げたいと願っていた雄太郎は、日本人旅行者のための会社を経営する義兄を頼って、ニュージーランドへやってくるが…。ニュージーランドの国立公園を舞台に繰り広げられる、新米ガイドの半年間を描く。
人間の進化とは一体何だろう?
守られているはずの進んだ社会で、おかしいと感じることにもの言えぬ自分!
〜エコショップのコンビニじいさんと少年の、笑いあり涙ありの近未来冒険ファンタジー!〜
高畠寛短編集。
夜の武蔵野の木立の枯葉にくるまれて、私の下で汗を浮かべ小さな声でうめいていたみゆきの、その裸の胸の乳房を突き破って、血しぶきが吹き上がるように、いっぱいの紅い螢が翔んだかもしれません。それが虹のように夜の大空を駆け、津軽海峡を渡って、恋しい男のところへ飛んでいった…………
あの時キミに出会っていなければ、本当の愛情も知らずにいただろう。静かに時は流れてゆき、天国へ向かう僕の姿を、るり色の涙で見送ってくれた愛しいキミ…。体は両性、戸籍は女性でも、男性であり続けた椋。その悲恋を描く。
神様の願いにより、お日様とお月様は、水の星に女神達と風の遣い、雲の遣いを誕生させた。
さて、女神達は上手く力を扱っていけるのでしょうか。
沈没船の金貨を引き上げろ!!
ひと夏で少年から少しだけ凛々しい大人の顔に近づいた5人の少年の冒険とロマン。
都内にある会社を三十歳で早期退職した彼は、北鎌倉に移り住み、起業プランや絵画を描きながら、ギャラリー・カフェを手伝っいる。美術モデルの女性と知り合ったのも、そのギャラリーにおいてだった。体温をなぞるようなデッサンを通じ、ふたりは、微妙な距離感で過ごしていく。一方で彼は、胸に消えない女性との関係に、心を揺らし……
8年間引きこもりの末、統合失調症を発病した風間光司。症状に苦しみながらも闘い、闘病の最中には女優に恋をして…。人々の信頼を徐々に勝ち得てゆくさまを、統合失調症の著者が描く。
数十年後の地球で加速する、地球温暖化と砂漠化現象。それを食い止めるべく、さまざまな障害を乗り越え、砂漠内で巨大工事を行う人びとの姿を描く。科学や宗教、政治の要素を取り入れたSF環境小説。
救命救急センターで働き、命の問題と向き合ってきた著者が、実話に基づいて綴る三つの物語。
長い平和と情報の氾濫、道徳心の失墜の中で、多くの人々が忘れてしまった「命の本来あるべき姿」とは……。
小学生・元気が出会った宇宙人たちは、元気にいろいろなことを教えてくれる。地球の常識が宇宙では非常識なことも、宇宙の中では地球人は遅れた人類だということも、地球のすばらしい未来のためには何が必要なのかも。そして偶然にも元気は、なぜ自分が地球に生まれてきたのかを知ってしまうことに。それは元気に、これからの人生で……
「貴方が、貴方であることが、大切なんです。」
数多の精霊が舞う架空世界。
秩序と混沌の鬩ぎ合いがはじまる。
そのサイトは、突然あらわれた。
そして、人々の心を蝕んで行く……。
山辺定男がバットマンのホームページを見つけたのは、1ヶ月前だった。
正直、「バカな事が書いてある」最初はそう思っただけだった。
人生が順調な内は……。
祖母に家に行っても蔵に入りびたっている姉・亜矢。ひとりの世界を楽しめる強い亜矢に比べて私は…。表題作ほか「秋のライオン」「富士見台小Bチーム」など全11編収録。
中田和樹は、幼い頃から度々見知らぬ風景の夢を見る。
それはいつも同じ場所で、ヨーロッパのような古い街並みの石造りの建物が迷路のように続く狭い路地を、何者かに追われるように必死に走っている。
ステンドグラスの心なごむ輝き。
それは、うれしい光、かなしい光、やさしい光、希望の光。
そんな光あふれる物語。
アドルフが部屋に入ってみると、血塗れの女が寝台の上に横たわっていた。
知らない女だった。
女の胸の上には、真っ黒い皮膚をした赤ん坊がのしかかっていた。
――――本文・アドルフの夢より
その他、全22編の短編小説。
この短編小説には、実際から得た想像が独自の創造の世界に展開されていくのがわかる。新しい小説発見の一冊である。(藤本義一)
シベリアの沼で育ったカモの兄弟姉妹。今度の競技会に地区代表選手として出場するため、練習をしていたのだが…。
あの戦争の深い傷痕を心に抱える親の世代。
その親たちの許で生まれ育った「団塊の世代」。
そして戦後日本の第三世代たち。
傷痕は心の遺伝子となって彼らそれぞれの「生」に影を落とす……。
平安時代、立場の弱かった女性の中でも、その名の通り「流される女性」の典型として描かれていた浮舟。彼女は最終的に入水を決意するが、それも遂げられず出家に至る。それまでにどのような葛藤があったのか。本書では、現代の女性である著者が、1000年の時を超え、浮舟自身にインタビューを行うという斬新な手法を用いることによ……
大学二年の夏、ぼくは車で故郷の街へと向かっていた。
高校時代を過ごした、海辺の街に近づくにつれ、三年前の記憶がせつなく甦ってくる。
虚無的な日々の中で、あの朝ぼくに訪れた、夏のかけら。
彼女と歩いた、あおい夏の日々は、まるで、眩しい静けさのようだった。
まなざし……
カルタゴの将軍ハンニバルは、第二次ポエニ戦争でローマ帝国と戦い、後一歩まで追い詰めた人物とされる。
第一次ポエニ戦争でローマに敗れた将軍を父に持ち、そこから大国ローマへの復讐を一族の宿願として誓い、英才教育を受けた青年期。実際に将軍となり、有名な「アルプス越え」など、奇想天外な発想で革命的戦術を……
フィギュアスケートの「元・天才少女」鷺沢伶里は25歳。全てを賭けて五輪に挑む。しかし波乱の展開が…。運命に翻弄されながらエッジの上で貫かれる恋。メダルと恋のゆくえは? そして、真のチャンピオンの条件とは?