“行為と結果の全ては、常に自分だけでしか受け止めることができない”
母の介護から、生きるということはそういうことだと香子は教えられた。
「今を生きるのに忙しい人々には限界がある」と真太朗は言う。
だが、介護という現実からは誰も逃れることはできない。
社会人になっ……
- 発売日
- 2011年12月30日
- 価格
- 定価1,540円(本体価格1,400円)
- ページ数
- 248ページ
- 判型
- 四六判
“行為と結果の全ては、常に自分だけでしか受け止めることができない”
母の介護から、生きるということはそういうことだと香子は教えられた。
「今を生きるのに忙しい人々には限界がある」と真太朗は言う。
だが、介護という現実からは誰も逃れることはできない。
社会人になっ……
福岡の田舎出身で、東京勤務から大阪へ転勤になったサラリーマンが、毎日の仕事・クレーム・上司からの怒り等の日常生活に追われながら、職を失って行き場を失くしたホームレスの人達の姿に、明日の我が身を重ねるようになる。
そして、仕事の合間にも少しずつホームレスの人達に支援の手を差し伸べるが、個人でやる……
血も涙もない極悪非道な悪の代表格…。
悪人のイメージで語られる平清盛を、側近の平盛国の視点で描いた書。
史実を紐解き、そこから垣間見える通説とは異なる清盛の姿を解き明かす。
いろいろな世代、立場の人がそれぞれ悩み、苦しい気持ちを抱えている。近しい人の気持ちもよくわからないし、わかってもらえない。やっていることも上手くいかない。先が見えない。
それぞれが空しさを感じながらも、あるとき、見知らぬ人や、ほとんど関係のなかった人の一言や行動で、ふっと救われる瞬間が来る。……
将来の期待に胸を膨らませた大学生が、実社会で挫折する様を、「正義」、「友情」、「善良」、「恋愛」、「義侠心」、「親子の情」といった人間存在の基盤となる道徳的要素のすべてから冷たく見放されていく形で一旦素描し、その後ふたたび人間存在への懐疑から解き放たれ、失ったものを取り戻していく姿を、人間礼賛へと結びつけた壮……
最果ての楽園、西表島の砂浜に発見した無人のテント。
中には衝撃的な内容の置手紙とともに、悲しげな微笑を浮かべる美しい女性の似顔絵が残されていた。
さらにその女性と、テントの持ち主の男性とが交わした幾通もの手紙から、消えた二人の運命を思い描く…。
旅物語も恋愛小説も超えて、人……
おはなしの中の異世界はどこだって日本語が通じる。でも、それって小説のご都合主義じゃない?
本物の異世界には独自の言語と文化があるに違いない。アルファベットもなければ翻訳魔法もない。
――そんな世界がもし本当にあったとしたら?
『紫苑の書』は異世界で言語を……
昭和30年代、秋田県の山に囲まれた蔵と林檎の町
少女と知的障害を持つ女性との交流、感動の再会を、北国の美しい情景とともに綴る追想小説。
自分自身の美しき世界へと向かって 開かれて生きたい☆
と願う巡礼の純粋な祈り…
これこそまさしく愛 巡礼の旅の始まり…
自分自身の究極の深みと
究極の高みに向かって開かれる愛の始まり…
純粋な問い… 純粋な祈り… 純粋な愛… 内なる旅… 巡礼の旅 ……
謎の人妻と運命的な出会いをしたトラックドライバー。
三陽、名神、東名ハイウェーを走る花開く恋のゆくえは?
広島から静岡へ。
人生の再起と恋を乗せてハイウェーを突っ走る!
・三ヶ日みかんの里、可憐な白いみかんの花だけが味方なのか? ……
大人のための、文芸スイーツ
ゆっくり読書を楽しみたい人のための詩8篇と童話風物語4篇を収録。
真夜中の研究室で、不思議な実験がはじまる「研究室の思い出」
生涯にわたって謎の少女を追い続ける科学者の手記「ある学者の短い手記」
沼の……
野菜売場で三歳児に「おなす」と指差されたり、夜店で飼っていたカメと再会したり、地下鉄の車内で漫画を読んでいるとメイドに怒られたり、フリーマーケットでは忍者の格好をした子が蝉の抜け殻を売っている。
何の気なくブログに記し始めた夢想の憶え書きがたまっていたので加筆し文庫本に。一足踏みいれたらもしかした……
もし一世紀前の音楽家のワーグナーに喩えるなら、『未来の文学』。
零細企業に勤める秀平は、資本主義経済に翻弄される覚束ない経営者の下で、一つの恋、そして家族に支えられながら成長していく。その姿を、「私」、「わたし」、「俺」、「僕」、「あたし」、「わし」と云った一人称で登場する群像の語……
僅かな夫婦間の傷口から脱出した失業中の夫を探すため、煌びやかな放送界の才媛はその仕事から身を引こうと思った。
親や辱められた男たちに復讐を誓った少女は、カモにした巨漢の大きな優しい眼に勇気づけられ改心した。
明治の曙へ、龍馬の下僕となとなって働く19歳の相撲取りに誠を捧げる二人の娘。 ……
ナミの群れが空間をくねり始めたとき、ペインはようやく眠りからさめた。もちろん、ナミが糸状にうごめく前から、おきようと思えばおきることもできた。それは、腰のあたりに半透明のヤヤがいつものように漂っていたからだ。とは言え、ヤヤはイソギンチャクのように、ゆらゆらとへばりついていただけのことだから、彼をおこそうとして……
複雑化する現代人のこころの悩み。
それは翳りに沈む孤独の迷路。
そこに果して光は、出口はあるのか。
スクールカウンセラーの眼を通して独り彷徨う少女のこころに迫る。
明かされる真実、彼女の自我(こころ)の行方とは。
学校という小社会に、心理カウンセリン……
この物語は、関西の製鉄会社の機械部門に所属する一人のサラリーマン課長が辿った、実際にあった数奇な運命の物語である。
一介の事務職出身の営業担当課長が、何の専門知識も持たない半導体関連ベンチャー会社の社長に任命され、右も左も分らないまま、漫画の様な面白くもあり悲しくもある、波乱に満ちた体験をしながら……
直木賞作家藤田宜永氏推薦!
戦後の風雪に耐えて自動車整備業草創期を築き上げた、福井モータース創業者、荒木重男の人生を描いた伝記小説。
整備工から年商45億の車の大将にのし上がった男の苛烈な生きざまが、娘のペンによって赤裸々に明かされる。
「美しいとはきっと その行いの美しさなんだ」
不思議なわき水を飲んだアシナガバチのエミリーは、美しく長い足にぴったりだった真っ赤なハイヒールも、もう自分には必要ないものと受け入れ、明るさと強さと素直さで、襲いかかる困難に立ち向かう。その果てに彼らが学んだ「真の美しさ」を、読者のみなさんも味わって……
1980年、東京の周縁で生まれた「私」。
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「失われた世代」が紡ぐ9つの冒険ストーリー。